ライフ・ストリーは突然に?!

♪~あの日、あの時、あの場所で、君に会えなかったら~♪(ラブ・ストーリーは突然に:小田和正)

 

この出会いは偶然?それとも必然?

 

男女の出会いに限らず、人生においてはちょっとしたきっかけが大きな転機となることが多々あるんじゃないかな。みなさんも今までの人生の中で、ふとした偶然からチャンスに発展したというような経験はありませんか?

 

なにげなく見ていたテレビ番組がきっかけで、番組で紹介されていた仕事に興味を持ち、それが一生続けることのできる職業になったとか、ふと訪れた旅先のお土産屋さんで見つけた郷土工芸に興味を持ち、そのままそれを仕事にしてしまったなんて人もいるかもしれませんね。そういったエピソードはよくドラマや映画なんかにもでてきそうですね。

 

そんなに大げさなことではなくても、身の回りの出来事を振り返ってみれば、みなさんにも思い当たるようなちょっとした経験がいくつかあると思います。

 

人との出会いもそんなことがありがちですね。まったく予期しなかった出会いがきっかけで人生の伴侶に巡り合ったり、友情をはぐくんでいける一生の友人と出会った人もいるんじゃないでしょうか?

 

人生には、いろいろなタイミングで転機とよばれる時期がおとずれます。高校や大学に進学する時、社会人になる時、結婚を考える時、子どもが出来た時、転職する時、退職する時などなど、みなさんはいろいろな選択をその都度都度にしてきましたよね。そして、今の人生(ライフキャリア)が積み重なっています。

 

転機と気づかないまま、なにげなく過ごしてうまくいっている場合は、それは素晴らしいことです。しかし、過去の出来事で、あの時こうしておけばよかった!なんて後悔するようなことがたくさんあって、自分の人生は最悪だと感じている人もいるかもしれませんね。

 

過去にどのような選択をしたとしても、「今」を大事にすることで、いろいろな可能性が見えてくることがあると思います。良いことがあれば、悪いこともある。また、良いことばかりは続かないし、悪いことばかりも続かない。転機にある時は、今起こっている出来事をしっかりと受け止め、今が良いとか悪いとかを悩むよりは、今、どんな行動をとるのかに集中したほうがよいのかもしれませんね。

 

さて、冒頭の「ラブ・ストーリーは突然に!」のように、降って湧いたような突然の幸運。これは偶然の出来事だったのでしょうか?キャリアカウンセリング理論のJ.D.クランボルツ教授は、プランドハップンスタンス(計画的偶発性理論)というキャリア理論で、「その幸運は偶然ではないんです!」と言っています。

 

積極的に行動して、チャンスをつかみ、新しい経験を最大限に活かそうとすることで満足のいく人生を見つけることができると、このプランドハップンスタンス(計画的偶発性理論)理論は言っています。

 

世の中の環境がめまぐるしく、大きく変化するこの時代において「どんな変化が起きても、あるいは変化の芽が見えたとしても、それを自分のチャンスに変え、成長につなげ、チャンスを獲得していくことを可能にする考え方(訳者あとがきにかえてより引用)」というプランドハップンスタンスの理論は今の混とんとした先の見えない時代を見通していたのかもしれませんね。

 

その幸運は偶然ではないんです!

J.D.クランボルツ,A.S.レヴィン

ダイヤモンド社 2005/11/18